1895(明治28)年~1899(明治32)年までの當麻小学校のヒストリー
修学旅行に出かけよう 神戸への船の旅
1872年に学制が公布され20年以上がたち、近代学校教育も軌道に乗り始めてきました。
この頃になると、當麻村を含む北葛城郡では、奈良県が「海なし県」ということで、航海修学旅行が実施された(いくつかの学校が合同で旅行に出掛けたようです)という記録が残っています。
この記録を読んでみると、次のような行程で実施されていたことが分かります。
<実施日>
5月16日~17日 雨天順延
<行程>
【1日目】
学校出発→下田駅→王寺駅→港町駅→安治川口駅→昼食→出航→神戸着→居留地→湊川神社→和田岬・水族館→兵庫にて宿泊
【2 日目】
兵庫出発→神戸駅→梅田駅→大阪博物館→大阪城→天王寺→帰校
<経費>
79銭
<服装等>
・帽子をかぶること
・一日目のお弁当を持参
・風呂敷には名前を書くこと
・履き物は草履
・服装は華美でないもの
<その他>
・保護者が一緒に行ってもよい
また、子どもたちが、大阪から神戸までの船の旅を満喫したことや、水族館で様々な魚を見て喝采をあげたことなどが書かれています。
現在、この航海修学旅行から130年がたっているのですが、今と変わらないところ(持ち物には名前を書くと指示するところ)もあれば、今は使う機会が減ったもの(風呂敷・草履)などがあり興味深いです。
一番変わらないのは、修学旅行を楽しむ子どもたちの笑顔だと思います。
参考文献「當麻町史」
たばこは禁止!ではない
昨今、禁煙や分煙が進んでいますが、明治時代、たばこに関する規制はありませんでした。
しかも、未成年がたばこを吸ってはいけないというきまりもなかったため、小学生が登下校中や休み時間にたばこを吸っていたという記録も残っています。
さすがに「未成年がたばこを吸うのはよくない」と言った声があがるようになり、1900年「未成年喫煙禁止法」が制定されたそうです。
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